手続き関係も終わると、開業準備もいよいよ大詰めとなります。
ここまではマクロ的な準備事項も多くありましたが、最後の詰めとして、開院初日から患者さまを不手際なくお迎えできるよう、スタッフ全員でのミクロ的な準備が必要です。
今回は、開業を直前に迎えた際にどんな準備が必要かを解説します。
この記事のポイント
開業直前に必要な準備、特に医療用備品・消耗品等の「モノ」、院内ルールの周知、診療トレーニング等の「コト」についてご紹介します。
何の準備が必要?
大きく分けて、『モノ』と『コト』の準備を行います。 どちらも共通して、『患者さまが来院した時に、不手際なく対応ができるか』という観点で準備を進めていきます。
『モノ』の準備
まずは『モノ』についてです。準備スタート時には、ペン1本から準備が必要な状況ですので、必要な備品を各スタッフと手分けして手配していきます。
医療用備品・消耗品 | <具体例> 駆血帯、注射針、ガーゼ 等 |
<手配方法> 看護師を中心に商品選定 医薬品卸等へ発注 |
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事務備品・消耗品 | <具体例> ペン、バインダー、トイレットペーパー 等 |
<手配方法> 事務員を中心に商品選定 通販サイトや100均等で調達 |
『コト』の準備
言い換えれば『研修』に該当するもので、『院内ルールの周知』と『診療トレーニング』をメインに進めていきます。
院内ルールの周知
先生を何とお呼びするか、何時に出勤するか等、基本的なルールを決め、スタッフと共通認識を持てるようにします。細かな認識相違(≒仕事上の違和感)が発生することを防ぐことが目的です。
診療トレーニング
導入医療機器の操作指導を行い、問題なく使用できるように訓練します。
また、『模擬診療(シミュレーション)』と呼ばれる実戦形式のトレーニングを繰り返し行うことも重要です。
その他、『医療安全』や『感染対策』等の法律で実施が義務付けられている研修を、この期間に実施するのもオススメします。
開業直前のイベント ①保健所立ち入り検査
開業前の期間に、保健所の立ち入り検査が行われる場合があります。
これは『開設届の内容に相違がないか』という点や、『各種法令を遵守した運用ができているか』という点を確認するものです。
事前に立ち入り日の調整があるかと思いますので、ガイドライン等を確認のうえ、しっかりと準備を行いましょう。
(参考リンク:広島市 診療所管理の手引き)
開業のイベント ②内覧会
概ね開院前週の週末頃に、『内覧会』と呼ばれる院内の見学イベントを開催します。
これはお世話になった方へのお披露目の意味合いもありますが、まもなく開院することを近隣住民の方へアピールするきっかけにもなります。
開催する場合には、案内状やチラシ、粗品等の準備も必要になり、意外と時間がかかりますので、開催日から逆算して段取りを行うようにしましょう。